トーナメントとキャッシュゲームの違い

本記事では、ポーカーの中でも最もメジャーなゲーム形式である、トーナメントとキャッシュゲームについて、簡単な特徴とストラテジーの違いを紐解いていこうと思います。

さて、トーナメントとキャッシュゲームで、大きな相違点となるのはおおむね以下の3点があげられるかと思っています。

・アンティがあり、レーキがない
・スタックサイズ(BB数)が変わる
・(トーナメントの場合)Chipを獲得する価値と失う価値がイコールではない

では、こういった違いが戦略にどのような影響を与えるのでしょうか?順番に見ていきましょう。

①アンティがあり、レーキがない

多くのキャッシュゲームでは、最初の段階でポットに入っているのは、SB-BBのみというのが一般的です。
かつ、そのポットを争っていくにあたっても、何らかの形でポット額から一定の割合(%)を、大元に払う手数料(レーキ)として差し引かれることが通常になります。

一方のMTTでは、通常のSB・BBの他、アンティという強制参加費をBB・ないし全員が出し合い、最初からポットに入っている金額が高くなります。
かつ、ポットからレーキが差し引かれることもない(→参加費からプライズプールに回される段階で差し引かれてる)という違いがありますね。

結果として、MTTの方がより広いレンジで参加することが肯定され、キャッシュゲームと同じレンジで参加していると基本的には降りすぎになります。

②スタックサイズの違い


特にトーナメントでは、ゲームの進行につれプレイヤーの持っているスタックサイズというのは減少する傾向にあります。

一方キャッシュゲームであれば、ブラインドが上がらないので、基本的に一定か長い時間やっているとリバイやアドオンが発生することから、むしろどんどんディープになってくることもあります。

基本的には、スタックが減れば減るほど、基本的にはよりアグレッシブなラインがとられやすくなります(ベット・レイズ頻度の向上等)。
これは、スタックに対するハンドの相対的な価値が変わるためで、例えば10BBならTTのようなやや強いハンドは容易にオールインまでいけるけれども、10000BBでオールインするにはかなり心もとないですよね。

そのため、トーナメントの特にスタックが浅くなってきた段階では、その点だけをみるとよりアグレッシブなアクションが飛び交いやすくなるのが本来です。

③Chipを獲得する価値と失う価値がイコールではない

これはトーナメント特有ですが、Chipを獲得する価値と失う価値はイコールではなく、基本的に同じChip量であれば失う重みの方が大きくなります。

キャッシュゲームの場合、獲得したチップはそのままの価値ですが、
トーナメントは極論、すべてのチップをかき集めたとしても、プライズのすべてをもらえるわけでありません。

逆にチップを0にしてしまっても、そのタイミングによってはいくばくかのプライズをもらえることがあります。

そういった観点から、トーナメントでは”生き残ること”がより重要で、Chipを失うリスクが大きくなるというわけですね。

そのため、キャッシュゲームだと「降りるかコールするか迷うな」、みたいなシチュエーションでも、特にトーナメントの中終盤では降りたほうが利益的なシチュエーションというのが増えていくというわけです。

本日のまとめ

以上、キャッシュゲームとMTTの違いについて、大枠の概要でした。

基本的には、MTTの方がレーキとアンティの有無からより幅広くプリフロップを参加できますが、インマネが近くなってくるにつれ、Chipを失うリスクが高くなってくることから、特にあまりスタックを持っていない立場であるほどレンジは固くしていく必要性があります。

また、トーナメントの中終盤のような状況で、スタックが浅くなってきた際には、通常よりもオールインまでいけるレンジが広がるので、より積極的にレイズを返してアグレッシブにプレイしていくのが基本ということがわかりましたね。

このような違いを意識した上で、ゲーム形式の差によるプレイングへの反映に参考頂ければと存じます。
最後までお読み頂きありがとうございました。