ブラフベットに用いられるハンド

以前の記事で、ベット戦略の基礎として、ベットというのは大きくバリューベットとブラフベットという2つに分類して考えることができるというお話を致しました。

バリューベットとブラフベット│PokerFreak (ポーカーフリーク) (pokerfreeak.com)


今回はその続編として、「ブラフベットに用いられるハンド」というテーマで、初級者の方が上手くブラフベットを打っていくコツを解説していきます。


ブラフベットに用いられるハンドを選ぶ考え方(フロップ/ターン編)



さて、先の記事でも述べた内容と被りますが、基本的にポーカーは何も手ができないことの方が多いゲームです。
そのため、負けてそうな手をすべてブラフベットにまわしていると、基本的にやりすぎになりやすいわけですね。

なので、ある程度勝っている可能性が低そうなハンドであっても、一定数はブラフベットをしないという選択肢が取る必要があるというのが原則論です。


では、ブラフベットをする・しないハンドというのは、どのように振り分けていくのでしょうか。


最初に簡潔な指標をお伝えします。

それは、“降ろす以外にも勝ち目があるハンドでブラフをする”というものです。



例えば、上記の場面で、67♦は現時点では非常に弱いハンドで、相手のどのハンドにも勝ってなさそうですが、もしフラッシュを引いたら勝てると仮定すれば、実に20%近いまくり目があるという計算になります。

小さいようにも思えますが、ポーカーというゲームで20%の差というのは非常に大きな差です。

全部の場面でこれが当てはまるわけではないですが、一番最初にブラフベットという概念に触れるプレイヤーにとっては、ミスとなることが少なく優秀な指標になりえますので、大前提として認識しておきましょう。

“まくり目があるハンド”とは?

では次に、こういったまくり目があるハンドというのは、具体的にどのようなものがあるのか、いくつか例を解説していきます。


(1)フラッシュドロー
これは最初にも例としてあげましたが、あと1枚引けばフラッシュになるような状態を指します。


トランプは同じスートは13枚あり、手札の2枚と場の2枚をのぞけば、9枚がアウツ(麻雀がわかる方は、麻雀でいう”待ち”をイメージ頂くとよいと思います)となります。

(2)ストレートドロー(オープンエンドストレートドロー、ガットショットフラッシュドロー)

あと1枚でストレートが完成するような形を言います。

ストレートが完成する待ちの形、種類の数によって、以下のように呼称がかわります。

オープンエンドストレートドロー


上のように、2種類の8枚が待ちになる状態のことです。

ガットショットストレートドロー


1種類の4枚だけが待ちになっている形です。そのため、オープンエンドストレートドローと比べると、役が完成しにくい傾向があります。

ダブルベリーストレートドロー


待ち種類の数や枚数としてはオープンエンドストレートドローと同一ですが、形が少々異なります。

これも麻雀をご存知の方は、オープンエンド⇒両面待ち、ガットショット⇒カンチャン待ち、ダブルベリー⇒リャンカン待ちと当てはめてみるとイメージがつきやすいかもしれませんね。


(応用編)バックドアフラッシュドロー、バックドアストレートドロー

こちらは基本的にはフロップ限定ですが、ターン→リバーと特定のカードが連続して落ちることで、フラッシュやストレートといった強いハンドに発展するハンドを指します。


例えば上記の例では、ターンとリバーどちらも♠が落ちればフラッシュになります。

こちらの例でも、ターンとリバーで2と3、もしくはJとQが落ちればストレートになりますね。


(応用編)ツーオーバーカード、ツーペア・トリップスドロー

やや発展的な内容で、これは頼りにしすぎるのはやや不足ですが、一応参考までに。

例えば、以下のようなボードで、自分はAKを持っていたとします。

ハイカードとしても強いですが、現状負けていてもAかKをヒットさせればベストハンドになることも多く、”トップペアドロー”としての要素も兼ね備えています。

また、ボトムのワンペアのような現状役ができている手も、さらに強い手に発展する可能性を秘めています。
例えば、もう1枚同じカードを引ければトリップスになりますし、キッカーの方が出てもツーペアになります。

こういったところをブラフに用いるというのはかなり上級者向けで、最初はあまりお勧めできませんが、それでもキーワードとしてはまくり目、発展性があるところというのがブラフに用いられやすいわけですね。

ブラフベットに用いられるハンド(リバー編)


さて、これまではフロップ・ターンについてお話ししましたが、リバーになると少し話は変わってきます。
リバーにおいては、これ以上カードが開かれることがないため、発展性という要素は全く考慮されないわけですね。

それでは、リバーの場合どういったハンドが用いられるのでしょうか。

基本的な1つの指標として、“弱いハンドから順番にブラフする”というものがあります。
これは、弱いハンドほどブラフで降ろして得するハンドが多くなるという理屈です。

一つ例を見てみましょう。



同じボードで、自分がハイカードKを持っている場合と、ハイカード5を持っている場合で比較してみます。
前者の場合は、ハイカードの中では最強で、相手のQハイ以下のハンドには現状で勝っているため、ブラフして降ろしたところで別に嬉しくはないですが、
後者はハイカードの中でも最弱で、相手の他のハイカード、6ハイや7ハイといった非常に弱いハンドを降ろすだけでも得になります。

そのため、リバーは弱いハンドをブラフに回していくのが大原則となります。

本日のまとめ

・ブラフベットは、基本的には負けてそうなハンドを全部ブラフすることは推奨できず、ある程度絞って行う必要がある
・フロップやターンにおいては、現状弱いけども発展性があるハンド(例:フラッシュドロー、ストレートドロー)を中心に用いられる
・リバーはこれ以上発展性がないので、シンプルに弱いハンドから順番に回されやすい