プリフロップで参加するハンド群

今回は、”プリフロップで参加するハンド群”、つまり、どのようなハンドでプリフロップを参加すればよいかの考え方をお話していきます。

前回の記事では、プリフロップで参加する目的とともに、だいたい4~5回に1回しか参加しないことが一つの目安となるというお話をさせていただきました。

(参考)

プリフロップで参加する理由と正しいアクション│PokerFreak (ポーカーフリーク) (pokerfreeak.com)


となると次は、「じゃあ具体的に、どんなハンドで参加するのが利益的なの?」という疑問が湧いてくるのではないでしょうか。

その疑問にお応えするべく、今回も考え方とともに、参加するハンド群、いわゆる”ハンドレンジ”について理解を深めていきましょう。

ポジションの重要性



ハンドレンジを学ぶ前に、まずはポジションの重要性を理解する必要があります。

というのもまず、プリフロップの大原則として、「アクションが早いポジションのプレイヤーほど、参加できるハンドの割合は少なくなる」というものがあるからです。

これはどういうことか。

出典:ポーカー道様より


上記は10人MAXテーブルのポジション一覧で、まずはUTGのポジションのプレイヤーからアクションがスタートするわけですが、
このUTGのプレイヤーはかなり強いハンドでしか参加できないというのがセオリーです。


これは何故かというと、UTGのプレイヤーの後ろには、まだアクションを控えたプレイヤーが9人も残っています。

そうすると、誰かにAA・KKのような非常に強いハンドが入っている可能性もあるわけですね。

逆に、BTNのポジションのプレイヤーはどうでしょうか。
後ろにアクションを控えているのはSB・BBの2人しかいないため、こういった大物手を持っている可能性は、自分がUTGにいる場合より下がりますよね。


そのため、BTNはUTGより幅広く参加しやすいというロジックになります。


もう1点、フロップ以降でのポジションという要素も考慮する必要があります。
基本的にポーカーというゲームは、相手より後に行動する方が有利と言われています。


先に相手の出方を見て、情報が多い状態でアクションを決められますし、そのフェーズを終わらせる権利もあったりするためです。

そのため、BTNであれば必ずフロップ以降の行動順が一番最後なので、若干手としては弱めでも広めに参加できます。


逆にSB・UTGはフロップ以降先に行動しないといけないことも相応にあり、そういった意味でも強いハンドに絞って参加するのが妥当ですね。

このように、ポジションによって参加できるハンドレンジは違う、というのを第一に抑えておきましょう。

ハンドレンジの紹介


ここからは具体的な参加ハンドの話をしていきましょう。
実はどういったハンドで参加するのが良いかというのは、理屈で導くのは非常に難しいのですが、
コンピューターが導いた結果やそれを簡易化したものなど、先人たちがいくつも世に出してくれています。

今回は、そのハンドレンジを特徴とともにいくつか紹介していきます。


①ヨコサワハンドレンジ
日本最大のポーカーyoutuber「世界のヨコサワ」さんが作成したオリジナルレンジ表


◎覚えるのが他のソリューションと比べて圧倒的に楽


×やや固すぎる傾向があり、特にブラインド時の対応が一般的な均衡と異なる
 →初心者が最初に覚えるにはとても良いレンジ表


②GTOwizard


GTO Wizard | 日本語サイト

◎無料で見ることができ、レーキやオープンサイズ等にあわせた多種多様なレンジを学習できる
◎GTOWizardをベースにした学習を行う場合、このレンジがベースになっているため、親和性が高い


×レンジ表が非常に複雑で、同じハンドでも混合戦略(レイズしたりフォールドしたり、複数の戦略が取られること。⇔純粋戦略)が取られるので、初学者にはなじみにくい


③Zeros Pleflor Chart

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1XTcwFr12vB8gcvWnTP1yxRoypzLKA8PO-A-b7_LsS2E/edit

JUEGO PREFLOP PRINCIPIANTES – INTERMEDIO Sheet1 WWW.ZEROSPOKER.COM – TABLAS JUEGO PREFLOP 100BBS (D docs.google.com


オンラインポーカーのハイレートプレイヤー”Zeros”が作成したプリフロップソリューション。
人工知能Poker Snowieのプリフロップレンジ”Preflop Advisor”をベースに作成されている


◎全てのハンドが”純粋戦略”であらわされている


×本来頻度で入るべきハンドが削られている
 →若干本来のあるべきとは異なるものの、かなり実際の均衡解に近く、本格的なPreflopレンジとして覚えるにはうってつけ

参加するハンドの覚え方


本当に身も蓋もないことを言うと、上記で紹介したハンドレンジを覚えて実戦しよう、という結論になってしまうのですが、
それではさすがに苦痛だと思いますので、簡単にどういった特徴を持つハンドが参加ハンドとして選ばれやすいかというのを紹介していきます。

①Aハイ系

例)AK AT A5
Aはペアになった場合、ルール上必ず1番強いペアを形成します。
また、役ができなかった場合に、ハイカード勝負になった時もAは最も強いため、他のカードよりも参加するインセンティブが大きくなります。


②ブロードウェイカード2枚

例)KQ KJ QJ
①と近しい理屈ですが、これらはランクの高いカード2枚で構成されているため、どっちのカードでペアを作った時もそこそこ強くなります。
また、数字が繋がっていることから、ストレートのような強い役も相対的に作りやすくなります。


③ポケットペア

例)99  77  55
手札のペアは、その時点でワンペア以上が確定しているため強く、また同じカードを1枚引くとスリーカードというさらに強い役に発展する可能性も秘めています。


④スーテッドコネクター

例)マークが同じ45、67、78等
こういったカードは、ハンド単体で見ると弱く、またペアを作ったところで強いペアにはなりにくいですが、
フラッシュやストレートという強力な役が狙いやすくなる投機的なハンドとして参加されます。


⑤ハイカードのスーテッド

例)K6s Q9s J8s
ハイカードとしても強く、そこそこ強いペアにも発展する可能性があり、強いフラッシュ等も狙える満遍なくそつのないハンドとなります

参加するハンドレンジの大半はこのあたりで構成されており、
先に紹介したようポジションが良くなってくるにつれ、それぞれの分類における構成ハンドの下限が追加されていくようなイメージですね。

例えば、オフスートのAハイは、6人maxのUTGであればATが下限ですが、COになるとA9やA8、BTNになるとA4・・・と同じAハイの中でも裾野が広がっていく形です。

そのため、覚え方としては、各系統のハンドのうち、最も早いポジションと遅いポジションの下限を覚えておくと、
間のポジションはその間のうちどこかが下限に落ち着くので、ミスを犯しにくくなります


上記の例でいうと、UTGのATオフスートとBTNのA4オフスートを基準に覚えていれば、COやHJはその間のどこかであるということは少なくとも導きだせ、A2オフスートで参加するといったミスは起こりづらくなりますね。

先にレイズしている参加者がいる場合の考え方


さて、ここまで自分が最初に参加する場合の話をしてきましたが、
もし自分より前に既に参加者がいる場合はどうでしょうか。

基本的には、先にレイズしているプレイヤー(レイザー)がいるほど、自分は更にハンドを絞って戦う必要があります


というのも、当然レイザーも弱すぎるハンドでは基本的にフォールドし、そこそこ強いカード以上で参加しているわけなので、
自分側もある程度そこに対しても勝っている可能性があるようなハンドで参加するという理屈になります。

これも、様々なプリフロップソリューションにおいては、レイズに直面した場面のソリューションを出していることがほとんどで、結論的にはレンジ表とにらめっこしながら覚えるのがよいのですが、こちらも考え方としては既に述べた通りとなります。

本日のまとめ


・プリフロップで参加するハンドレンジは、ポジションによって大きく変わる


・ポジションで考慮すべき要素は、後ろに行動が残っているプレイヤーが何人いる

か・ポストフロップでの行動順はどうか


・有用なプリフロップソリューションはいくつかあり、目的や自身のレベルに応じてどれか1つを覚えるのが上達の近道


・主に参加するハンド系統は、①Aハイ・②ブロードウェイカード2枚・③ポケットペア・④スーテッドコネクター・⑤ハイカードのスーテッドで、ポジションに応じて参加する下限が広がってくる


・他のプレイヤーが先にレイズしている場合、相手がレイズしているハンドレンジに対しても一定以上に戦えるようなハンドでレイズを返すのがセオリーのため、より参加できる割合は小さくなる