プリフロップで参加する理由と正しいアクション

今回の記事では、ポーカーにおいて一番最初のステップであるプリフロップから、”なぜプリフロップでチップを払って参加するのか”という考え方をお話しします。

▼プリフロップで参加する目的

さっそくですが、皆さんは「なぜ、プリフロップを参加するんですか?」という質問に対して、その理由を説明できますでしょうか?

よくありそうな答えとしては、
「強いハンドだから」
「フロップ以降を見に行って、強い役に発展する可能性にかけたいから」
等というものがあるでしょうか。

もちろん、これらも間違ってはいないのですが、プリフロップに参加をする理由としては、もっと根本的で明確なものがあります。

それは、””ブラインドをスチールする(ないしは守る)“”というものです。

↑この強制参加費を奪い合い、あるいは守るのがプリフロップで参加する目的!


ポーカーは非常に奥が深いゲームではありますが、実は本質というのは全てここにあるといっても過言ではありません。

というのも、ポーカーにもしブラインドというものが存在しない場合どうなるかを考えてみましょう。

そうすると、ポーカーで最強のスターティングハンド”AA”だけで参加し、あとは全てフォールドするというのが最も利益的になります。

フォールドしても失うものが何もないので、最も利益を生むハンドだけで参加していればよいという話ですね。


しかし、ブラインドがあるとそうもいきません。

AAが配られる確率は0.45%しかないですが、通常のゲームだと多くて9人程度なので、9回に2回はSB・BBが回ってきてブラインドを取られてしまいます。

そうすると、AAが来るまでにたくさんブラインドによって持ちチップを削られてしまう。
そうならないために、一定のハンド数で参加するという理屈です。

なので、極論すればAA以外のハンドというのはブラインドを奪うために、もしくはブラインドを取られすぎないようにするために参加するものなのです。

セオリー的な話だと、ポーカーは4~5回に1回しかプリフロップで参加しないのが利益的なプレイングとされています。
それは、ポーカーというのは数あるスターティングハンドの中でも、本来は強いハンドだけで参加したく、
しかしながらそうしてしまうとブラインドを奪われすぎてしまうため、一定数のハンドで参加しないと不利益になってしまうということから来ています。

▼参加するときは、レイズで参加しよう!


さて、いざプリフロップで参加しようと思ったとき、ルール上は”コール”か”レイズ”を選択できます。


例えば上記の例でAKを持っている人は、$2払ってコールで参加するか、$4以上にレイズするかの選択肢がありますね。

では、どちらを選択することが利益的でしょうか?


こういったプリフロップでは、基本的にはレイズで参加することが利益的になります(ここでも、金額はサイズとしてはレイズ額の3倍が目安になります)。

理由としては、まず1つはコールで入ってしまった場合、プリフロップで参加する目的である”ブラインドをスチールする”というのが果たせなくなってしまうからです。

つまり、レイズで参加した場合、ビックブラインドのポジションのプレイヤーは、ブラインドに上乗せしてコールするか、フォールドするかという選択肢が生まれますが、
コールで参加した場合、ビックブラインドは”チェック”のアクションを取ることで、追加で何も支払わずともフロップに進むことができますね。

(↑BBは既に$2を支払っているので、ノーリスクでフロップを見に行くこともできてしまう!)



もう1つの理由として、単純に強いハンドを持っている時は、大きいポットを戦いたいという理由があげられます。

コールで参加すると、全員が最低参加費のビックブライド額(上でいうと$2)を払えば参加できるので、ポットにあまり多くのチップが投入されないままフロップ以降に進むことになりがちです。

一方でレイズで参加した場合、後のプレイヤーは参加するには少なくともその額以上を払う必要があるので、ポットを大きくすることができます。


皆さんも自分がAAを持っているとき、$5のポットを戦いたいか・$30のポットを戦いたいかでいうと、恐らく間違いなく後者なのではないでしょうか。

(↑コールで入り、BBにチェックされた場合、ポットの金額は$5でフロップに突入する)

(↑ビックブラインドの3倍にレイズで入り、コールされた場合、ポットの金額が$13でフロップに突入する)



これらの理由から、プリフロップではレイズで参加するのがセオリーということが言われています。

なお、レイズ額としては、ブラインド額の3倍が目安と言われています。

これは、例えばオールインのような高いサイズで打ちすぎると、自分が強いハンドを持っていた時には相手に降りられて追加のチップを得られにくく、
自分がそこまで強くないハンドを持っていた時は相手が自分より上のハンドでコールしてくる、というところが1つの理由です。

▼自分の前にレイズが入ったらどうする?


続いて、もし自分の前にレイズが入っていた場合、どのように対応したらよいでしょうか?
ここでも同じく、コールかレイズの二択があります。


結論としては、ここでも基本的にはレイズで入るのが良いというのがセオリーです。
この理由としては大きく2つあります。

1つは、コールだと最初にレイズした人は必ずフロップを見ることができるので、現時点でポットに入っているチップを手に入れることができないということです。

やはり先に述べた通り、プリフロップで参加する原理原則としては”ブラインドをスチールする”というところが目的としてあるため、基本的にはレイズでスチールのチャンスを作るのが良いですね。

そしてもう1つは、後のプレイヤーが強いハンドを持っている可能性がまだあり、そのプレイヤーにレイズされた場合に苦しくなるということです。


例えば、自分がAAのような強いハンドを持っていた場合、より賭け金を吊り上げて勝負したいですよね。

でも、それをせずにコールしたということは、「最強クラスのハンドは持っていない」といっているようなもので、後ろの強いハンドをもったプレイヤーから、さらにレイズをされる標的になってしまう危険性が伴います。

(↑後ろのプレイヤーから、大きくレイズで吊り上げられた時に困ってしまう!)


そのため、すでにレイズをしている人がいても参加できるほど強いハンドを持っているときは、基本的にはどんどんレイズをして強さを主張する、そこに至らないハンドはフォールドする、というのがプリフロップの基本戦略となります。

▼コールで参加できる例外

そのような基本の中でも、一部コールで参加してもよい例外があります。


それは、自分がビックブラインドのポジションにいるときです。

ビックブラインドが特殊なのは、自分でプリフロップのアクションを終了させることができるということです。

つまり、レイズに更に他のプレイヤーからレイズが入っている、というような状況でもない限り、自分がコールもしくはフォールドした場合、そこでプリフロップが終わります

そのため、コールをしてはいけない理由の1つである、「後ろのプレイヤーからレイズをされて困る」ということが発生しないわけですね。

さらに、ビックブラインドは、すでに強制参加費として金額を出しているので、コールに必要な金額というのが他のポジションよりも少なくて済むという理由もあります。

(↑ビックブラインドのプレイヤーは、既に$2を払っているため$4支払えばフロップを見ることができ、しかも他にアクションが残っているプレイヤーがいない)


これらの理由から、ビックブラインドはコールで参加することが選択肢に入ります。

▼本日のまとめ

それでは、今回の結論を簡単にまとめます。

・プリフロップで参加する目的は、ブラインドをスチールするため/もしくはブラインドを守るため
・この目的を果たすため、ポーカーは4~5回に1回程度しかプリフロップで参加しない
・参加するときは基本的にレイズで入るのがよい
・自分の前にレイズが入っている時も、さらにレイズで返すかフォールドするかの二択が基本的な戦略
・ただし、ビックブラインドの場合は、後ろにアクションを控えているプレイヤーがいないこと・既にブラインドを支払っていることから、コールで入ってもよい

最後まで御覧頂きありがとうございました。

次回は、「プリフロップで参加するハンドの決め方」についてお話します。